一般的にコーディネーショントレーニングは幼児期や思春期前の時期(3 ~12歳ごろ)が最も効果が高いとされています。最近では小学校の体育でもコーディネーショントレーニングが取り入れられており、学習者の運動有能感を高める効果も明らかにされています。
では、コーディネーショントレーニングは適齢期(3~12歳ごろ)を過ぎてしまうと効果はないのでしょうか?
本記事では大人に対してのコーディネーショントレーニングの効果を紹介していきます。
大人でもコーディネーショントレーニングの効果はある
実は大人でもコーディネーショントレーニングの効果があることが研究で明らかにされています。
例えば、3日間の30分のコーディネーショントレーニングでバランス能力、スピード(20m)の向上が見られたという研究結果があります。また、高齢者の歩行スピード改善にもコーディネーショントレーニングの効果が実証されていたりと、幅広い年代に効果的なトレーニングとされています。
そのため、本気でスポーツをしていて運動能力を伸ばしたい人から、普段の運動習慣を変えたいという人もコーディネーショントレーニングを実施するメリットがあります。
ただ、運動能力の向上という点でいえば幼児期や思春期前の時期(3 ~12歳ごろ)が最も効果的であることは間違えないです。幼児期では3日で身につく事が大人では3週間はかかると考えてください。
何から始めればよい?
まずは身体に無理のない範囲の動きから始めましょう。ただしコツとしては少し難しいなと思う動きを取り入れること。
例えば、お手玉3個でジャグリングをするのも一つのコーディネーショントレーニングです。普段の生活では中々実施しない動きのため、身体に刺激を与えることができます。バリエーションをつけるのでれば、お手玉をスカーフや野球ボールなどに変えるのもよいでしょう。内容を次々に変化させることで効果がUPします。
基本的に競技力UPのためであれば、練習前の10分〜15分ほどのコーディネーショントレーニングを取り入れるのが効果的です。コーディネーショントレーニングは神経系に刺激を与えるトレーニングなので練習前のフレッシュな状態で実施するのがよいでしょう。
大人のコーディネーショントレーニング メリット
運動能力の低下を防ぐことができる
使わない筋肉は退化していきます。これを可逆性といい、神経系にもこれが当てはまります。学生の頃は部活動で毎日のように運動していた人でも、引退して久しぶりに運動したら思うように身体が動かなかったということがあります。これは筋肉が衰えているだけでなく、運動の指令を出す脳の神経も衰えていることが原因になります。
そのため全く運動しないよりも、週1回でも良いので運動をすることで運度能力の低下を防ぐ事ができます。特に「コーディネーショントレーニング」であれば負荷も少なく、様々な動きを取り入れることができるので、1つの種目(例えばサッカー)をするだけよりも、神経系への刺激を高めることができます。
うつや疲労にも効果あり
実はコーディネーショントレーニングには「うつ」や「疲労」にも効果がある事がわかっています。ある研究ではコーディネーショントレーニングを取り入れたチームの方が心理的にポジティブな傾向にあるという事が明らかにされています。そのため、プロでもチームの「活気」を高めるために、練習前にコーディネーショントレーニングGA取り入れられています。
気分が落ち込んだ時や、やる気がない状態の時であっても、コーディネーショントレーニングをすることで、自然にポジティブな気持ちになる効果があるということです。
新しい一面が開花するかも!?
コーディネーショントレーニングで今まで発見できなかった才能が開花するかもしれません。
コーディネーショントレーニングは一つの競技に絞らない幅広い動きを取り入れることができます。そのため普段は陸上をしている人でも実はサッカーに必要な動きが得意なこともあります。(陸上では直線的な動きの速さが求められるが、サッカーでは前後左右への切り返しの速さも重要になる)
周りの人と比べてみて、この動きは得意だな・上達が早いなというものがあれば自分の隠れた一面に気づくことができます。
※専門的なコーデイネーショントレーニングでは競技の特性に絞ったものもあります。
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