一般的に体力測定といえば、新体力テストの「握力」「上体起こし」「長座体前屈」「反復横跳び」「20mシャトルランor持久走」「50m走」「立ち幅跳び」「ソフトボールorハンドボール投げ」を思い浮かべますよね?この新体力テストの結果で学校では体力・運度能力が評価されます。
ただ、この体力テストの結果=競技の能力が高いというわけではありません。
例えばテニスではまっすぐに走るスピードだけでなく、前後左右に素早く切り返して動く速さも求められます。そのためそれぞれの競技における身体能力を測定するには、新体力テスト以外の項目で測定することが必要になります。
本記事ではテニスに必要な身体能力を測定する種目を紹介します。
握力(筋力・筋力のグレーディング)
利き手で計3回の測定
- 始めに最大値を測定(=筋力の最大値)
- 2回目は測定者の主観で70%の強さで実施
- 2回目は測定者の主観で50%の強さで実施
※2・3回目は1回目の最大値の70%・50%のずれを計算する
※筋力のグレーディングとは、筋力の出力調整力とのこと。テニスでは常に全力で打つのではなく、ボールによって加える力を変更しなければならない。そのため自身の感覚で筋力の出力量を調整する能力が必要になる。
20m走(スピード)
- ストップウォッチを使用して助走なしでタイムを測定
- 計測回数は2回実施し良いタイムを採用
テニスコートのサイズは縦23.77m×横10.97m(アレーコートを含む)。50m走よりも短い距離を早く走る能力が必要(加速力や瞬発力など)。
垂直跳び(下半身パワー)
- 踏み込みなしで両腕を振り沈み込んでからすぐに切り返して行う垂直跳びを実施
※可搬式ジャンプメーターや垂直跳びの測定器等の器具が必要
プロアジリティテスト(急激な方向転換をともなうスピード)
- 5m間隔に3本のラインを配置
- 中央からスタートして、右足によるラインタッチ-中央ライン追加-反対側のラインの左足によるラインタッチ-中央ライン通過までのタイムを測定
ヘキサゴンドリル(敏捷性)
- 1辺60cmの六角形のラインを用意
- 中央から正面を向いたままスタートして、両脚ジャンプで1辺ずつラインを超えて中央に戻り、次のラインを超えて戻ることを繰り返しながら周回する3周のタイムを測定
メディシンボール投げ(技術的な要素を含むパワー)
- 3kgのメディシンボールを用意(測定者のレベルによってボールの重さを変えても良い)
- 前方投げを行いボールの飛距離を測定
- 投てき後はラインを踏み越えてもよい
ウインゲートテスト(無酸素性持久力)
- エルゴメータを使用して、ウインゲートテストを実施
- 負荷量は測定者の体重の7.5%に設定し、ピークパワー値と平均パワー値を測定
まとめ
いかがでしたでしょうか?上記は1例となり、今回紹介した種目以外にもテニスの身体能力を測定する方法はあります。
ただ大切なのは競技性に合った測定種目があるということです。学校で行う体力テストが全てではなく、それぞれの競技に合った測定種目を実施することで、日々の練習やトレーニングで競技に必要な身体能力が向上してるかどうかを確かめることができるのです。
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