TOEFLスコア全170カ国中(データのない国は除外)146位(2019年)。スピーキングに至っては最下位。世界的に見て日本の英語習熟度は非常に低い状況にあります。
ではなぜ日本人はこんなにも英語が苦手なのでしょうか?今回は科学的なデータに基づいてご紹介します。また、これから英語を学ぶ上で大切な心構えもご紹介します。
日本人が英語を苦手な理由4選
言語的距離
日本語と英語は言語的な距離が最も大きいといわれています。つまり、発音や文法的な違いが大きく異なる言語ということになります。
そのため、欧米人が英語を取得するのに必要な時間は400〜500時間に対して、日本人は約3,000時間必要になります。少し勉強した程度では、英語を身につける事ができないのです。
ちなみに、日本語と同じく英語と言語的距離が大きいのは「アラビア語」「中国語」「韓国語」「韓国語」になります。
環境・動機
日本に住んでいて英語を使わざるを得ない状況になったことがありますか?ほとんどの方は日本では英語を使わなくても生活ができているのではないでしょうか?
しかし、世界を見ると自国の言語のみでお金を稼ぎ生活ができる国は珍しいです。例えばフィリピン。自国語は「カタログ語」ですが、多くの国民が第二言語として英語を話すことができます。これは自国内の経済だけでは十分な富を確保できないため、市場を海外に広げる必要があるからです。出稼ぎで日本で働いているフィリピン人も珍しくはありません。
お隣の韓国も同様です。今では世界的にもメジャーな「K-POP」ですが、一世代前は誰も聞いたことがなかったでしょう。これも韓国が国内ではなく、世界の市場を見据えてマーケティングをおこなってきた結果と言えます。韓国のアイドルは「英語」や「日本語」が上手な方が多いですよね。
つまり、日本は海外に比べて英語を使う必要性が少ないのです。そのため、英語の上達には「英語を使わざるを得ない環境」を作ることも重要なポイントになります。
接触量
日本人は英語の接触量が極めて少ないといわれています。いやいや、「中高6年間英語の勉強をしてきたじゃないか」(現在は小学校から英語が開始)と思われる方もいると思います。
しかし、ある研究では日本の英語の授業は1分間に1.7語しか話さない事が明らかになっています。ちなみにネイティブスピーカーの場合は会話1分で200〜300語話します。
確かに学生時代、単語を覚えたり文法を学ぶ時間はあっても、英語を話す時間はあまりなかったですよね。ノートに書くだけでは同じ時間でも触れることのできる英語の量は限られてしまうのです。
ただ最近は、大学入試の変更(4技能を評価)や小学校での英語授業の開始に伴い、授業内容も少しずつ変わってきています。
メンタルブロック
英語を話そうとすると言葉が出てこない、、、固まってしまうといった経験をしたことはありませんか?これは「メンタルブロック」といい、勉強したことを思い出そうとして、正しい英語を使いたい!間違えたら恥ずかしい、、、とい思いが発話を阻害することで起こります。
つまり、学びの英語と現場の英語は異なる。現場はアドリブ英語なのです。
これは、実践の場をたくさん経験するしかありません。スポーツも同じですよね。いくらバッティングセンターで球を打てたとしても、実際のバッタボックスで生きた人間の球を打つには経験が必要です。
これから英語を学ぶ上で必要な心構え
ネイティブのような綺麗な発音である必要はない
世界でネイティブスピーカーと呼ばれる人はどれくらいいると思いますか?
実は英語話者20億人に対して、ネイティブスピーカーは4億人しかいないのです。つまり、英語話者のほとんどは非母国話者であり、母語の干渉(訛りのようなもの)を受けています。
よく正しい発音=ネイティブの発音と捉える方がいますがそれは間違いです。訛りは一つの個性です。正しい発音に捉われず、自信を持って話す事が大切です。
沈黙はNG
日本人はよく3Sと国際的な会議で言われています。3Sとは「Silent」「Smiling」「Sleeping」の頭文字をとった略で「静か」「微笑んでいる」「寝ている」という意味になります。
日本には空気を読み相手の気持ちを察するという文化がありますが、海外においては「自分の意見がない人」と見られます。
英語を話すときは頷きやアイコンタクトだけでなく、自分の考えを口にすることを意識しましょう。
上手くなってからではなく、今すぐ使う
もう少し上手くなってから外国人に話しかけてみよう、、、英会話のレッスンを受けてみよう、、、と考えていませんか?
前述した通り、英語はスポーツです。上手くなってから野球選手になる人はいないですよね?英会話の極意は正解に捉われず反射神経を身につけること(自分の考えを反射的に口にできるように)。英語を話すときは自信を持って堂々と、自分が知っていることを話せば良いのです。
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